伸びている途中のヒトの歯の根元から新たな幹細胞を発見したと
園山亘(そのやま・わたる)岡山大助手(補綴(ほてつ)学)が26日、発表した。
ブタの実験で歯の一部をつくることができたといい、歯の再生医療に使えるのではないかという。
抜いた親知らずの先端部分で見つけ、「歯乳頭由来幹細胞」と名付けた。
この細胞をマウスの背中に移植すると象牙質という歯の内部組織と同じものができた。
発達を終えた歯から幹細胞は見つかっていたが、今回の幹細胞は
それより約15回多く分裂し、象牙質は約3割多くできた。
ブタから同じ幹細胞を採った実験で、細胞が定着する足場となる材料
などと一緒に歯を抜いた部分に移植すると、約3カ月で歯茎に入っている
「歯根」部分が再生した。歯根の上に差し歯をつけると、かむ機能も回復した。
園山助手は「若いころに抜いた親知らずを保存しておき、歯が抜けたときに使って歯根を再生できる可能性がある」と話している。