******************** ちょっと気になる歯のおはなし ***********************
馬の齢は、歯の状態から推定できるといいます。一日16時間もの時間を食事に
費やす馬などの草食動物は、他の動物と比べ一般的に歯の減りが激しく、1年間
で約2ミリも歯がすり減ります。
4歳馬は、皐月賞・ダービー・菊花賞などの大レースが控えている生涯一度のチャン
スであると同時に歯の生え変わりの時期でもあります。
「歯かわりにあたって体調を崩した」といわれる程、この時期は歯のトラブルで勝
利を逸したケースが多いといいます。レースというわずかな時間を最高の状態で臨
むために調教師は些細な体調の変化も見逃しません。食欲が落ちるとまず歯を診ま
す。生え変わりなど、歯が痛いと馬は食事をとらなくなるため、コンディションが
悪くなるのです。
食餌となる草は、エネルギー効率が悪く、体を維持する程度の栄養しかないため、
競走馬には高カロリー7で消化の良い配合飼料も与えます。ところが馬にとっては
栄養面よりも食べる「時間」の方が大切なのです。自分が食べ終えても他の馬が
食べ続けていると、ストレスを感じイライラしてしまい、調教どころではなくな
るといいます。
他にも、噛み合わせと店綱関係があります。歯の擦り減り方が不均一だと鋭利な
部分で粘膜を傷つけることがあり、食欲低下につながります。そこで、調教師は
獣医に依頼する際、歯にヤスリをかけ、噛み合わせを調整してもらうのです。馬
も定期的に歯のチェックが必要なのです。
ちなみに、食欲旺盛な馬の見分け方はというと...馬は前歯で短い草を引き抜
いて食べるため、前歯の先同士が当たっている馬が多いそうです。また、エラの
張った馬も顎が発達している=歯が良くて何でも噛めて健康とされているようで
す。ご参考程度に...