象牙質知覚過敏の実態はあまり明確になっておらず、再発の可能性も高いことから、対処に困る疾患の一つです。
近年注目されている言葉に Tooth Wear、歯の損耗という概念があります。
Tooth Wear はう蝕以外の原因による歯質損失の総称であり、咬耗や摩耗などの機械的な損耗、非う蝕性歯頸部歯質欠損(NCCL)、酸蝕だけでなく、象牙質知覚過敏症を含むこともあります。
これらは単独で起こるのではなく複合して起こる疾患であるため、知覚過敏の原因には、食生活や咬合を含めた様々な可能性を考慮する必要があります。
Tooth Wear のなかで、歯頸部に限局して発生したものを特にNCCLと呼びます。主な原因として、アブフラクション、摩耗、酸蝕があります。
酸蝕の外因性の原因の一つとして、酸性度の高い飲食物の摂取が挙げられます。
一般的に炭酸飲料やアルコール飲料はpHの低いものが多く、食事指導の際にはそれらの摂取を知覚過敏症状が気になる間は控えることも大切です。
Tooth Wear の一つである象牙質知覚過敏症は、様々な刺激に対する反応として露出象牙質に誘発された短く鋭い痛みを特徴とします。
実際、虫歯と勘違いされやすいですので、症状が出たときは、ご自身で判断せず、ご相談いただけましたら幸いです。
Dr 清原