米国のペンシルベニア大学医学部の研究チームが Chemical Sensesにおいて発表した論文によると、親知らずの抜歯後、長期的には味覚感受性が高まるということです。
これまでの研究においては、親知らずの抜歯後、味覚感受性が低下することのみが指摘されており、その後、時間とともに回復していくと信じられていました。
研究チームは、過去20年間に同大学にて味覚評価テストを行った結果、すべての味覚おいて、感受性が高まることが示されたということです。
この結果に対して、2つの仮説が立てられています。1つ目は、親知らずの抜歯により口腔の前方部の味蕾を刺激する神経が損傷される一方で、後方部の味蕾の感受性が解放され、口腔全体としての味覚感受性が高まるというものです。2つ目は、親知らずの抜歯により傷ついた抹消神経が過敏症を起こし、後遺症として残り、味覚感受性が高まるというものである。
メカニズム解明のために、さらなる研究が求められています。
注)すべての症例で味覚異常をきたすわけではありません。