米国心臓協会がHypertension誌において発表した論文によると、重度の歯周病に罹患することで高血圧のリスクが2倍になることが判明したということです。また、良好な口腔衛生状態を維持することにより、高血圧に加えて、その合併症のリスクも抑制できる可能性が示唆されました。
これまでの研究により、高血圧と歯周病に関連性があることは知られていましたが、関連性の詳細についての研究は少なく、歯周病の予防/治療により、全身の炎症マーカーや血管内皮細胞の機能が改善され得ることも知られています。
日本国において、高血圧患者は4,300万人いると推定されています。その中で、適切に血圧コントロールされているのは1,200万人で、1,400万人が自らの高血圧を認識しておらず、450万人が高血圧を自覚しているが未治療、1,250万人は薬物治療を受けているが適切に管理されていないといわれています。
医科歯科連携の構築が国策に盛り込まれた現代社会において、68,000件を超える診療所を有する歯科医療が適切なスクリーニング機能を有した時、高血圧だけでも1,400万人がその対象となり得えます。未来の歯科医療に夢を描く次第です。
Dr Kiyohara