今日は、興味深い歯科ニュースをお届けします。
北海道大学は、就寝時刻や夕食時刻が遅い子ども、夕食を決まった時刻に食べていない子どもはう蝕が多いことを明らかにしたと発表しました。
近年、社会の24時間化が進み、深夜であっても買物や外食をしたり、テレビやインターネットなどの娯楽を一日中利用することができるようになりました。
このことは、多様な生活スタイルの選択を可能にした一方で、生活リズムの乱れは不眠症など健康障害の原因となっています。
夜型の生活習慣は、肥満や生活習慣病などにつながるとの研究があり、う蝕発生のリスクも高めると予想されていたが、これまで科学的に示した研究はありませんでした。
調査の結果、夜型の生活習慣そのものがう蝕のリスクであることが明らかになりました。
次に、永久歯列期の小児33名(11~16歳)について同様の解析を行ったところ、「夕食時刻のばらつき」のみう蝕の本数と相関があった結果となりました。
これらの結果から、就寝時刻や夕食時刻が遅い子ども、夕食を決まった時刻に食べていない子どもはう蝕が多いことがわかりました。
また、今回の調査では夕食時刻と就寝時刻の間にも関係があり、夕食を遅く食べる子どもは就寝時刻も遅いという結果がえられました。
夜型の生活習慣がう蝕発生に及ぼす影響は、永久歯列をもつ小児より乳歯列をもつ小児の方が大きいことが考えられるということがわかりました。
これは、年少児ほど睡眠や食事などの生活習慣の乱れが、体のサーカディアンリズム(※1)に及ぼす影響が大きいことが原因と考えられるということです。
※1 「サーカディアンリズム」
血圧や体温など体の機能にみられる約24時間周期のリズムのこと。