部分床義歯の製作を、ついにフルデジタル化
従来の部分床義歯の製作には、金属の鋳造などの煩雑な工程があり、義歯の精度が歯科技工士の技術に左右される一面がありました。
すでに義歯製作方法の一部は3Dプリンターなどでデジタル化されている一方、すべてがデジタル化されるには至っていませんでした。
これまでに開発したデジタル技術による総義歯の製作方法を応用し、フルデジタル化された部分床義歯の製作方法を開発したとの報告です。
フルデジタル化された義歯製作とは?
今回開発された部分床義歯の製作方法は、以下の通りです。
① 患者さんの欠損状態に応じた義歯をPC上でデザインし、そのデザインに対応したカスタムプレートを設計する。
② カスタムプレートの中に既製人工歯と、3Dプリンターで造形した金属のフレームワークをはめ込み、レジンを塡入し、重合する。
③ カスタムプレートごとミリングマシンに装着し、義歯を削り出す。
東京医科歯科大学は2月3日、世界初となるフルデジタル化された部分床義歯の製作方法を開発したことを発表しました。
この研究は、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔デジタルプロセス学分野の金澤学教授らの研究グループと、キヤノン電子株式会社との共同研究によるもの。研究成果は国際学術誌 Journal of Prosthodontic Research で発表されました。